その日○○は思い出した
不幸とは???
おれより不幸なやつってのは沢山いる
あの超有名な本、FACTFULLNESSによると日本人は上位1%だか5%だか、それぐらいの豊かさだそうだ。バ先の社長に借りて読んだけど、詳しい数字は忘れた。今日の飯もない人たちがかなりいるらしい。
7年前、おれは夜中の3時に家を抜け出して、夜のド田舎を走っていた。
マジで殺される!
という統合失調症によくある妄想に追いつめられていた。なんか民家のドアをたたいて「助けてください!殺されます!」とか全力で叫んだ記憶がある。いい迷惑だ。そしておれは見知らぬアパートに追いつめられて、記憶があいまいだが、二階から飛んだらしい。まあ実際は誰も追いつめていないのだが、統合失調症は恐ろしい。
腰の骨がバキバキに割れたらしく体が起き上がらない。もうどうでもよくなった。そのときポケットに何か入っているのを見つけた。携帯電話だ。
「まあ、生きるのも怠いけど、体が痛いし助けてもらおうかな…」
意識朦朧の中で親に電話してそこから119かなんかで助けられたらしい。
腰の骨がばっきり折れていた。すぐに手術をしなければならない。
だが、そんなことはどうでもよかった。
なによりも心が死んでいた。20歳。自分の存在が虫以下だと思った。
今思えば虫に失礼だ。何のために生きているのか全く分からない。楽しくもないから死んだ方がマシだ。ゴミはゴミらしく終わっとくか。めんどくせえ。
でも、死ぬのも苦しいしめんどくせえと思っていた。
そして最低な気分の中で一つだけ、確信があった。
「おれが優秀すぎるからこれくらいのハンデがないと生まれてきた意味がないってことか」
なんもやる気でねえけど、競争なら負けねえ。
ってか色々負けて悩んでるからこんなに惨めなんだが、
諦めの悪さ、負けたくねえって気持ちなら負けねえよ。まだ人生終わったわけじゃねえ。おれはあくまでも人と比べて上に行ってやる。そうじゃなきゃ納得いかねえ。上に行って、それでいて優しい人間になってやる。
友達なんて一人もいないから、がんばったって誰かに認めてもらえるわけじゃない。でもおれがおれであるために、最後まで戦って死んでやる。
何ヶ月かの入院中、病院のベッドの上で毎日そんなことを考えていた。
戦うって言ったって何を目指すのか、考えるまでもなくお金しかないと思った。
お金で買えるものなんて大したことないかもしれないけど、生きていくのにもお金が要る。一年で10億くらいは稼いでやる。そう決めた。
7年後の今、収入は全くの0である。
もうお金はいいやなんて気持ちはない。
まだ追っている。現状の収入は全くの0だ。
大変恥ずべきことだ。
20歳の時の惨めな気持ち、忘れてはいけなかったものを長いこと置き去りにしていた。原点回帰。感謝で宇宙は回りだす。あの時の最低で惨めな気持ちを思い出した。